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2013年2月5日火曜日

「文体翻訳」のすすめ

  今日は、「文体翻訳」の実験の日である。
世の中には様々な種類の文章があるが、なじみ深いものもあれば、縁遠いものもあろう。
それらを翻訳して、読みなれた文体に翻訳しようという試みを「文体翻訳」というのだ。

では、さっそくいってみよう。

●新聞→J‐POP

新聞とJ-POPの特徴は上記のとおり。
今回、翻訳をおこなう新聞には「読売新聞2011年9月3日号」を選定した。

記事は以下



~~~~~~~~~~~ 引用 ~~~~~~~~~~~

2020年五輪6都市立候補

国際オリンピック委員会(IOC)は2日、2020年夏季五輪招致で、東京、バグー(アゼルバイジャン)、ドーハ(カタール)、イスタンブール(トルコ)、マドリード、ローマの6都市が、1日の期限までに立候補を行ったと発表した。 
以下省略
  ~~~~~~~~~~引用 ここまで~~~~~~~~~




さて、この記事であるが、J-POPに翻訳するとしたらどうすればいいだろう。

まず、最初に考えるべきなのは「見出し」の扱いであろうか。
「見出し」はいわゆる主題なのだから、J-POP的にはサビの部分になるのでは。
いや、「見出し」はあくまでもタイトルなのだから、曲名が妥当だろう。
ということで、翻訳するとこうなる。


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  「2020年五輪6都市立候補」 作詞・作曲 読売新聞社

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しかし、これではまだまだJ-POP要素が足りない。
もうちょっと情報を削ったり、あいまいにしたほうがよさそうだ。
まず、「2020年五輪」を「7年後の栄光」とでもして、
「6都市立候補」を「with ロクトシ」とでもしておこう。
東京くんがボーカルで、6人の仲間とバンドを組むのだ。

というわけで、タイトルは決まった。


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  「 7年後の栄光   with ロクトシ 」 作詞・作曲 読売新聞社

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つづいて、歌詞のほうを決めていこう。

まず、「  国際オリンピック委員会(IOC)」だが、いわゆる相手方なので「あなた」と訳そう。
 「2日」は記事が書かれた時点で昨日のことにあたるわけだから「きのう」になる。
そして、  「2020年夏季五輪招致」であるが、これはタイトル通り「7年後の栄光」にすればよい。
 
どう処理をするか問題になってくるのは、
「東京、バグー(アゼルバイジャン)、ドーハ(カタール)、イスタンブール(トルコ)、マドリード、ローマ  」
全部入れるのは長いので、現在残っている「東京・イスタンブール・マドリード」に絞り込もう。
あとは、J-POP的な歌詞をてきとうに 散りばめればいいのだ。

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  「 7年後の栄光   with ロクトシ 」 作詞・作曲 読売新聞社

僕は信じてる。 願いがかなうことを

7年後の栄光(ゆめ) かたちにするために

あなたのために 僕は何ができるの?

きのうのことは忘れないから 大丈夫さ

目を閉じ 一緒に歩き出そうよ

(サビ)

たとえ、マドリードで 「好きと」抱きしめても

たとえ、イスタンブールの夜景 一緒にみても

東京になるはずさ。

(※くりかえし)


心配しなくていいよ。僕がそばにいるから。

7年後の栄光(ゆめ)は ほら そこに

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これでたちまち J-POPである。





新聞から、J-POPへの翻訳は成功したわけだが、
よくよく考えてみると、文体翻訳は世の中にあふれている
たとえば、以下の例

●古典文学→現代文学 (芥川龍之介など)
●おとぎばなし→唱歌  (浦島太郎など)
●うそ→新聞(虚構新聞など)
●言い訳→心からのお詫び(記者会見など)

文学をケータイ小説に翻訳する試みもあるみたいである。

これはこまった。次は何を翻訳しようか。

そこで目を付けたのが憲法である。
以下は日本国憲法より引用。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


これをケータイ小説風に翻訳してみることにする。

特徴はこのとおり。
まるで正反対である。

では、翻訳といこう。

まず、「 日本国民は」の部分。ケータイ小説のメインターゲットである女子高生は
はたして、自分たちのことを「日本国民」と呼ぶのだろうか。
ここは「うちら」とでもしておこう。

次は、「 正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、」の部分である。


その次には「 われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、」というフレーズもある。


ここは思い切って、「ちゃんとしたくね」と翻訳しよう。

ここまでをまとめるとこうなる。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

うちら、、ちゃんとしたくね?
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ここまで書いたところで、
私はいままでケータイ小説を読んだことがなかったという事実に気付き、
手当たり次第に有名らしきケータイ小説をいくつか読んでみたのだが、
どこにも「  うちら、、ちゃんとしたくね?」
と書いていないことに気付いて筆を置く所存である。


●まとめ●

「引用」とはまったくもって便利である。

  (J-POP訳  君がいれば安心さ)

著作者は引用の拒否をできないどころか、

  (J-POP訳  「だめ」なんてことば 聞きたくないよ)

報道・批評・研究などに使われるのをみすみすと見過ごすほかないのである。

(J-POP訳 流れる窓辺を見つづける あなた 声も聞こえない夜)

また、「  筆を置く所存である。」も便利な言葉である。

(J-POP訳  君より気になる存在 Wow)
 
次回からは、こんなふざけたまねはやめようと思う

(J-POP訳  君に別れを告げるかも Ah~)



御清読ありがとうございました




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